aptXにまつわる老人の迷い言

[主題]
遠い過去(macOS 12.x Monterey)に、macOSから削除されたBluetoothコーデックaptXにまつわる老人の迷い言を書きとめて置きたい。

[背景]
Appleは、macOS 12.x Montereyにおいて、それまで(macOS 11.x Big Surまで)サポートしていた、高品質が定評のBluetoothコーデックaptXを削除すると言う大英断(大誤断?)を行った。当時、Tim Cook CEOのXアカウント(@tim_cook)に向けて抗議したりしたが、当然の事ながら返信はなかった。(aptXが何か知らないのかも知れない)
翻って筆者は、Macユーザーでは少数派であろう、Androidスマートフォンユーザーである。簡単にaptX(aptX Adaptive)を利用できる。加えて、所有するBluetoothイヤフォンは、MacとAndroid両方を一度に接続でき、簡単に聴き比べができる。つまり、何が言いたいかと言うと、両者(AACとaptX)の音の違いが目立つ環境なのである。
さらに重要なのは、筆者は、「Mac aptX」とか「M2 Mac aptX」とかでGoogleすると、割と上位にヒットする、AACとaptXに周波数的な差はないとする記事を書いた人間でもあることだ。
だが、あれは、(フリーソフトで周波数分布表示するために)WAVオーディオに変換する必要があったせいで、ffmpegでaptXやAACにエンコードしたものをWAVにデコードして…何だか、今読み返してもよく分からない記事になっている…。
ここで、筆者は自分の頭の中を整理する必要性を感じている。本稿は、差がないと言ったAACとaptXが、あまり聴覚能力が優れていない老人にも、やっぱり差があるように感じられたための訂正、または単なる老人の迷い言である。

[環境]
参考までに、筆者の環境を記載しておく
MacBook Air 2023 15.3inch(Apple Silicon Mac, M2)
macOS Sequoia 15.6.1
Xcode 26.0.1
CommandLine Tools for Xcode 16.4.0.0.1

Sharp Aquos Sense4 SH-M15
Android 12

Audio-technica ATH-CKS50TW

[発生した現象]
オーディオCD(具体的には古内東子サンの最新アルバムLong Story Short)をcdparanoia経由でlameを用いてmp3にエンコードしたファイルを、MacBook AirとAndroidスマホで聴き比べたところ、体感的に無視できない差があるように感じられた。
体感を言葉で表現するのは難しいが、敢えて書くならば、MacBook Air(AAC接続)の方が

  • うす雲が掛かっているような感じ
  • 全体的に薄っぺらいような感じ

を覚えた。

[比較条件]
既に(だらだらと)記述しているが、もう一度整理する。

  • mp3ファイル(cdparanoia経由でlameを用いてエンコード)
  • MacBook Air 2023 15.3inch(Apple Silicon Mac, M2)
    macOS Sequoia 15.6.1(AACコーデック)
  • Sharp Aquos Sense4 SH-M15
    Android 12(aptX Adaptiveコーデック)
  • Audio-technica ATH-CKS50TW
  • 50〜60代にしては、高域の聴覚が悪いとされる老人の耳

[仕組みの勉強]
BlueToothでは、音楽データの送受信に当たって、音質的に優位なコーデックから順に試して行き、送受信両者で一致した、最も優位なコーデックが自動選択されるのだそうだ。そして、aptXはAACよりも上位なコーデックなのだそうだ。もっと上位なコーデックもあるらしいが、ここでの話には関係ないと考えるので省略する。

[調査]
MacBook AirでaptXを利用する事はできるのかどうか調べた。

  • BlueTooth Explorer
    筆者のMacBook Airでも、起動はするが機能しない。よってこれは使えない。入手先も書かない。
  • コマンド実行
    sudo defaults write bluetoothaudiod "Enable AptX codec" -bool true
    筆者のMacBook Airでは機能しない。
  • OSダウングレード
    筆者のMacBook AirのプリインストールOSは、macOS 13.x Venturaだ。aptXをサポートしていた最上限のOSは、macOS 11.x Big Surだから、これもムリな話だ。
    余談になるが、Appleが、そのMac発売当時の最新バージョンのOSをプリインストールし、それより下位のOSが動かないようにしているのは、ポリシーなのだそうだ。ポリシーで悪い音を聞かされるユーザーの立場になって欲しいモノだ。

[結論めいたこと]
疲れてきたので、強引に結論めいた事を書く。
aptXとAACの音の差は、体感なので定量的な評価はできない。まして、自分が過去に書いた記事のように周波数特性で評価できるものでもないと思う。(第一、あれは評価方法が間違っている)
筆者のように、AACに対して上に書いたような印象を感じる人もいれば、aptXの方がAACよりも刺さるとする意見を持つ人もいる。何だか本当に迷い言染みてきたが、元気な耳を持つ若い人にはAACが心地よく、劣化した耳を持つ老人にはaptXが合っている…のかも知れない…。

以上。

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